はじめるまえに……
気づいたら、昨日5万Hitを達成してました
みなさま
ご訪問ありがとうございます!
5万Hitの御礼が出来ればいいのですが……
とりあえず、番外編が終わったら考えますね
あっ、でも、その前にバレンタイン企画ですね
こちらもおいおい……w
今回は少なめです
調子がでなくてごめんなさいっ
ではでは、続きをどうぞっ (≧▽≦)ゞ
連休の前日だというのに、寄り道もせずまっすぐ帰宅する。
今までなら適当に食事を済ませて、呑みに出かけていたに違いない。自分以外に誰もいない部屋で、時間を持て余すだけの長い夜を一人で過ごす。
レンタルしてきた映画を観ながら毛布にくるまっていると、いつの間にかウトウトとし始めていた。
自分を温める毛布からは正木の匂いがして、まるで彼に包まれているようだ。
少し前まで自分のものしかなかったはずの殺風景な部屋には、今や正木の私物がところどころに目に付いて、彼用のマグカップや二人分の食器。それから脱いだままになっている部屋着などがあって、すでに自分だけの空間ではなくなっていることをオレに伝えていた。それらは決して迷惑などではなくて、それどころか嬉しいような恥ずかしいような気分にさせてくれる。
なのに今、その存在が近くになくて、ぽっかりと穴が開いたような孤独感を感じる。
「早く……会いたいよ、正木……」
心の底からそう思う。
今この同じ時間を、彼がどんなふうに過ごしているのだろう。
出向は今日で最終日のはずだから、どこかに呑みに出かけているだろうか。それとも、オレと同じように1人で過ごしているのか……?
彼の匂いが染みついた毛布をぎゅっと引き寄せると大きく空気を吸い込んだ。
彼の香りは切なくて、胸にキリッと痛みが走る。
ひと眠りすれば正木の方から会いに来てくれるだろうか?
いつもと同じ満面の笑顔で、オレの名を嬉しそうに呼んで、誰よりも安心を感じるその腕に抱かれる。離れていた時間はそれだけで心の隙間を埋めて、オレは満たされていく。
そんな想像をしようとするのに、何故だか浮ぶのは最後に見た正木の悲しげな……。
何度考えても、どうして正木が『東堂』なんて名前を口にしたのか。その説明がつかない。自分と『東堂』との関係を知っているのは、今となってはごく限られた人だけのはずなのに……。
だから考えられることはただ一つ。
誰かが故意に正木へ知らせたってことだ。
一番疑わしいのは高林部長だけれど、彼があの件の腹いせにそんな事をするとは考えにくい。正木をただ不愉快にさせるだけなんて、あの人らしくないけれど……。
だけど、それさえも証拠は何もないし決めつけるには確証もない。
思考は堂々巡りを繰り返すばかりで答えなどは出ないけれど、一つだけ決まっていることがあった。
正木が望もうが拒否しようが、『東堂』とのことは話すつもりだった。
それで彼の不安が解消されるなら、それ以上の事はない。
だって、オレと『東堂』の間にあったことはすでに過去の出来事で、自分にとって今一番大切なのは正木なんだから……。
そこまで考えると軽く目を閉じ、一息つく。
それまで混乱状態だった問題を整理すると、少しだけ気持ちが軽くなった気がして、急激に眠気が襲ってくる。
何もかも、明日……正木次第……だ。
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