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新月の暗闇に紛れて 23

はじめるまえに……

 久々の弟くん登場で嵐の予感w
 隼人くん、どうする?

 今回はギリ?Rなしでいいかな?

 ではでは、続きをどうぞっ (≧▽≦)ゞ
 




 思っていたよりも早くに自宅に到着した気がする。
 たった1日帰らなかっただけなのに、やけに懐かしく思えるのは今の俺の心境が複雑だから。
 自室で適当に服を漁って、カバンに詰め込むと着ていた服を着替えると視線を窓の外に向けた。そこには青木の車が見えていて、傍らでは煙草を吸いに出ている彼の姿もあった。
 このまま準備をして彼の元に行けば、俺の未来は男を相手にするホストになるのか……。
 そんなことをぼんやりと思いながら、無駄に時間を掛けていた。

「隼人、帰ってきてたのか?」

 背後から声が掛かって、振り向くとそこに直樹の姿があった。
 俺はまだ着替えの途中で、Tシャツにそでを通しただけの中途半端な状態。その上半身に弟の視線が突き刺さるのを感じた。

「ソレ、どうしたの?」

 怖い声音。直樹のそんな声を聴くのは初めてだ。
 明らかに直樹が言ってるソレっていうのは、朝に青木が付けた痕跡のことを示していて、説明なんか出来る訳がない。

「ねぇ、隼人。答えてよ」

 まっすぐ逸らさない弟の視線。だけど、それはただの弟の枠を超えた何かを孕んで、その『何か』には俺は気づきたくなくて。

「答えられないようなコトを、あの人とした?」

 近づき、手を伸ばしてくる。

「なお……?」

 弟の名前を呼ぼうとして、その長い腕が身体に絡みついた。

「隼人」

 直樹が俺を呼ぶ。兄としてではなくて、もっと別の気持ちを込めて。
 そして、その顔が寄せられて……。

「ダメ……だ、そんなの」

 言葉は、直樹の唇に吸い取られた。
 痛くなるほど唇を吸われて、口腔内を貪られる。
 時が止まるかと思うほどのショックで、抵抗も出来ないまま、茫然とした頭は昨夜青木に言われた言葉を思い出す。青木は敵意を感じたと言っていた。あれは、本当だったんだ……。信じたくなかったことを自覚させられる。
 弟の肩を押し返すように両腕で突っぱね、その唇から逃れようと身を捩る。それをうまく利用されて、ベッドに二人倒れ込んでしまった。

「一緒に寝てた時、オレがしたかったこと、わかる?」

 身体の上に馬乗りになった直樹が、苦しそうな声で言う。そんなの分かりたくもないし、知りたくもなかった。

「なお、やめろよ」

 何とか落ち着いてもらいたくて声を掛けるが、全く聞こえていないようだ。

「兄弟、だろ?」

 切り札のつもりだった言葉を出した。けれど、直樹は薄く笑った。

「そうだね。でも、だから、何?」

 開き直ったようにも聞こえるそれは、今までに何度も考えた上での答え方のようだった。

「隼人とキスしたかった。それ以上の事も……したい」

 そう言った直樹は俺の知っている弟ではなくて、見も知らないオスとしての男のようで。ダメだ、嫌だと思うのに、抵抗する腕は容赦してしまって、ロクに効果を発揮できない。
 後頭部に添わされた直樹の手が、俺の顔を反らすように力が入り、再度唇が押し当てられる。

「んっ……う」

 無理矢理舌を絡ませられて、声が漏れる。このままじゃ本気の直樹には敵わない。
 近くにあったものを直樹に知られないように手繰り寄せる。それは荷造りしていたカバンだった。十分な重さのあるそれを勢いよく引っ張ると、馬乗りになっていた直樹の身体に命中する。グラリと揺らいだ身体からすかさず逃げ出して、ガクガクする足を無理矢理動かすと一目散に家を飛び出した。

「っ青木さん」

 乱れたままの恰好で駆けてきた俺を見て、一瞬驚いたような顔をした青木にしがみついた。
 青木は何も言わず、ただ俺の背中を宥めるように撫でると、車の中へ誘導してくれた。  
 最後に車の中から振り返り自分の家を仰ぎ見る。2階の俺の部屋からは直樹が見下ろしているのが見えて、目が合うと背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

 もう……戻れない、のかな……?

 うっすらとそんなことを思う自分がいた。



拍手・コメントありがとうございます!!
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216:拍手秘コメ「 m さま」へ

mさま、はじめましてっ!!
そして、ようこそですっ (^-^ゞ
コメントありがとうございますっ!!
順に読んでくださっているのですかっ?
なんだか恥ずかしいような、なんていうか///
とっても嬉しいです

「新月の・・・」18話と19話、
確認して順番通りになるように変更しました
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
気づかないことが色々とあるもので、
また他にも発見した時は教えていただけると嬉しいです

未完のまま放置している作品もありますが、
のろのろとではありますが進行させる予定です
気長にお待ちいただけると嬉しいです(苦笑)

コメントありがとうございました!!

2014.02.18 23:45 かすみ #- URL[EDIT]
52:ハルさまへ♡

続いて、も一度、ハルさま (≧▽≦)ゞ
何度も足を運ばせてしまって、
ありがとうございます!!


> ヤバい、ヤバい!
> 近親相姦だけはやばいです~
> 弟くん、怖い(>_<)

 なおくん怖いですね
 2階からじっと見てる姿が
 ホラーチックです (^_^;
 そういう意味じゃなく?


> でも、ですよ、オトコ相手のデートクラブ?
> ホストクラブ?
> それは‥隼人くん、悲しいね。
>
> 慣らす為だけの行為だったなんて‥辛いですね。
>
> それだけではないのだとは思いたいのですが。
> 隼人くんは商売道具か。

 青木さんが隼人くんをどういう風に見ているのかが微妙なんですよね
 商売道具としての存在か、
 弟に見立てているのか
 はたまたっ!?


> でもお金の為に隼人くんを連れて行った訳じゃないでしょうしね。
> 彼が自分を変えたいと‥
> でも‥隼人くんが身を売ってもいいと、青木さんは思っているのでしょうか。
> 自分の意思だったらいいのでしょうね。
>
> それも寂しい‥
> ふたりが心から結ばれることを願っておりますが。

 あの場は青木さんに連れ去ってもらったのが一番いい解決かなと。
 なおくんも諦めがつくかも……知れないですし、

 もし、店で働くことになったとしたら……
 うーん、
 愛人契約で、隼人くんゲッチュしちゃいますかっww
 その前に会員に入れないかもっ?

 まだまだハッピーには程遠い二人です

 なるべくラブが感じられるような展開に……
 なったらいいなと希望的予想を打ち立ててみます

 ではでは、

 コメントありがとうございました!



 

2012.10.12 21:10 かすみ #- URL[EDIT]
50:連コメ失礼いたします!

かすみさま、連コメ失礼いたします~

ヤバい、ヤバい!
近親相姦だけはやばいです~
弟くん、怖い(>_<)

でも、ですよ、オトコ相手のデートクラブ?
ホストクラブ?
それは‥隼人くん、悲しいね。

慣らす為だけの行為だったなんて‥辛いですね。

それだけではないのだとは思いたいのですが。
隼人くんは商売道具か。

でもお金の為に隼人くんを連れて行った訳じゃないでしょうしね。
彼が自分を変えたいと‥
でも‥隼人くんが身を売ってもいいと、青木さんは思っているのでしょうか。
自分の意思だったらいいのでしょうね。

それも寂しい‥
ふたりが心から結ばれることを願っておりますが。

ではまた(^v^)

2012.10.12 01:22 成嶋ハル #Xl5e9i5Y URL[EDIT]

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