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誤解から生まれた真実 4 R18

 この辺りにはいわゆるそういう場所として部屋を提供しているところがある。
 それを見越していたわけではないが、結果としてはそうなってしまった。
 薄暗くした部屋の照明が、緊張する高野の姿をさらに暗く影で縁取っていた。

「オレより年下なんて絶対ウソだろ?」

 着ていたスーツが皺にならないようにハンガーに掛けながら、オレは他愛のない会話で声をかけてみた。

「高野……?」

 反応がない。まさかここまで来て怖気付いたのだろうか。
 振り返ろうとしてがっちりと背後から抱きしめられた。
 
「沢良宜さん……」

 顔が見えないからどんな表情で言ってるのかわからないけど、声に切なさを感じる。同じ男としてその感情が理解できた。

「……みつきって、呼んでいいですか?」

「ああ、好きに呼べばいい」

 どうせ「次に会う」ってのはないんだろう?
 心の中でつぶやいた。一晩だけならば、どう呼ぼうとそいつの勝手だ。
 吐息が触れ合うくらい接近して、完全に重なる。
 そして、オレにとってはいつもの、こいつにとっては初めての夜が始まった。

 ひとしきり互いの唇を堪能し、ベッドに男を誘導する。
 高野のわずかに緊張した顔がオレの気持ちを昂らせていた。

「光……稀?」

 男の上に馬乗りになると、この先何が起こるのかと不安気な声を出す口を唇で塞ぐ。そうしながら、男のシャツの中に手を延ばした。
 わずかに汗ばんだ肌、弾力のある筋肉が適度についた体躯。指を這わせその感触を楽しみつつ、ゆっくりと腹から下に手を延ばすと、服の上からでもわかるくらい張りを持った塊に当たった。

「ココ……キツそう」

 首筋に軽く唇が当たるようにしながら、指でその場所を示す。
 男の反応を伺いながら、ゆっくり服に手を掛ける。拒絶はなかった。

「嫌なら、目、閉じていて」

 そう言うと、硬く反り返ったものを手にとった。頭上で高野が息を飲むのが聞こえ、それらを感じながら更に硬度を増したそれの先端から根元まで丁寧に舌を這わせた。

 時折、高野の呻く様な声と、たまに頭に触れる指の感触がオレを刺激する。
 もう、互いの吐息しか聞こえなかった。
 十分に舐められててらてらと濡れるそれから顔を離すと、近くに用意しておいた容器を手にする。
 粘液質な液体を指先に乗せ、それを自分の後孔に侵入させて十分に解す。そんなオレの行為を高野が見ているのを感じた。たったそれだけの事なのに身体が熱くなって興奮する。

「光稀、エロい……それ」

「ん……も、高野の……ココに挿れていい?」

返答も待たず、手を支えにしてそれを後ろにあてがうと、ローションで溶かされた蕾は自身の体重をかけられて、少しずつ口を開いて痛みを伴いながらも受け入れていく。

「ん……あっ」

 身体の中に高野の拍動を感じる。指では届かない奥の深い所まで侵入されているのを実感しながら短い吐息をついた。
 ゆっくりと動き始めると腰を高野の腕に支えられ、引き寄せられて接合がより深くなる。その動きに合わせて自身の脚の間で息づくものを自らの手で慰めながら、薄く目を開けて男が感じている顔を見つめていた。

「光稀、すごい締まって、良過ぎっ……もう、あんまっ、もたない」

荒々しい吐息が言葉通りに終わりが近い事を示している。

「う……ん、イッて……高野」

 言い終えるより早く、高野の腕が腰の高さを固定していた。下から突き上げる激しい動きで体が揺さぶられる。 突然、グイっと奥まで押し込まれたかと思うと、熱い飛沫が体内でほとばしるのを感じた。

 しばらく動く事も出来ず、高野の上で呼吸を整える。
 身体には高野の存在を感じていた。それはまだ硬さを保ち続けていて物足りなそうに孕んだままだ。

「高……野……?」

 腰を捕らえていた手に力が込められ、高野が不意に体を起こす。角度が急激に変わって息を呑み、思いがけず近くまで寄ってきた男の肩にしがみついた。そのままの状態で思いがけないほど力強い腕に支えられ、背中がシーツに触れた。
 あまりに軽々と体位を変えられたことで忘れかけていたことを思い出す。
 その腕力であの時椋介を抑え込んだのだ……。

「ん?光稀?」

 高野が訝しげにオレの顔を覗き込む。

「何か……別の奴のこと、考えてた?」

「え……あ」

 あまりに鋭い洞察力に言い返す言葉も見つからない。

「俺に抱かれながら別の奴のことを考えてたのか……」

「や……あ……ちがっ」

 否定しようとした言葉が高野の唇に吸い取られた。

「んっ……あっ」

 唇が離れるのと同時に大きく腰が動かされる。
 予期せぬ動きに声が漏れた。

「俺のことだけ考えてよ……光稀」

 オレを求める高野と視線が絡む。熱くてまっすぐなその目に捉われ、腰が甘く疼き刺激を求めるように揺れる。
 先ほど体内で放出された体液が潤滑油の役割を果たして動きをスムーズにしていた。高野がゆっくりと腰を動かすごとにはしたなく音を立てて、聴覚でも犯されるような気がする。

「高野っ……」

 ゾクゾクっと肌が粟立つ感じがした。
 前立腺を刺激されて快感が身体を貫き、意図せず高野を締めつける。
 その反応に満足そうな表情を浮かべた男が見えた。

「すごい、ハマりそう……」

「んっ……」

 再び唇を塞がれて、酸欠状態に陥る。
 激しく揺さぶられて、もう何も考えられなくなるほど快楽の渦に飲み込まれていった。


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